NPO法人全国木材資源リサイクル協会連合会
サイトマップリンク集お問い合わせ

国への要望書(平成19年度)

トップページ > 国への要望書 > 国への要望書(平成19年度)

 近年、地球温暖化問題は、世界各国において最重要の緊急課題となっております。
 このため、我が国においても原因物質である二酸化炭素の排出削減に向けて積極的な施策が展開されており、その一つとしてカーボンニュートラルの木質バイオマスの活用が大いに注目されております。
 このことから、当連合会では、会員の総力を挙げて廃木材等から木質チップ等を生産し製紙やボード原料に供給するほか、発電施設等へのバイオマス燃料として有効利用を促進しているところであります。
 しかしながら、これら資源リサイクルをより一層推進するためには、会員の努力だけでは解決のできない問題が多く、各種の制度の充実が必要となっております。
 そこで、現状で当連合会会員が強く念願している別添の要望事項について、早期に実現できますよう特段のご配意をお願いいたします。

平成19年12月10日

環境大臣   鴨下 一郎 様
国土交通大臣   冬柴 鐵三 様
経済産業大臣   甘利  明 様
農林水産大臣   若林 正俊 様

特定非営利活動法人 全国木材資源リサイクル協会連合会
理事長 彦坂 武功

要望事項

1. 木質(木くず)チップの廃棄物除外について (環境省)

 現状において廃棄物処理法に定める「木くず」は、同法に基づき許可を受けた処理施設を所有する中間処理業者によって大部分がチップ化され製品原料および熱回収燃料として再生利用されている。
 このことから、「規制改革・民間開放推進3か年計画」(平成16年3月19日閣議決定)および「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日閣議決定)において、再生利用および有効利用する場合は、一部に廃棄物に該当しない措置や廃棄物処理施設に該当しない措置が講じられている。
 また、循環型社会形成推進基本法(平成12年法律第110号)において、「循環資源」とは、廃棄物等で有用なもので、「循環的な利用」とは、再使用、再生利用および熱回収をいうと定義されている。
 そこで、循環的な利用が確実と認められる木質(木くず)チップは、逆有償の如何にかかわらず有用物(廃棄物処理法で廃棄物とは不要物と定義)として廃棄物処理法上の廃棄物扱いから除外されることを要望する。


2. 「木くず」破砕施設の設置許可について (環境省)

 産業廃棄物である「木くず」の破砕施設については、廃棄物処理法第15条第1項で1日当たりの処理能力が5トンを超えるものについて設置許可が必要とされている。
 しかし、最近この処理規模未満と称した「木くず」の破砕施設が多数設置され、しかも一部に自社処理として「木くず」処理を受託しているケースもあり、「木くず」の不適正処理による木質チップの品質低下や不法投棄が懸念されている。 
 このため、全ての「木くず」破砕施設について設置許可対象とし、同法に基づく処理基準や報告等を義務付けられたい。
 また、これら「木くず」破砕施設で処理された実績を木材資源リサイクル推進の観点から毎年度地域別に公表されたい。


3. 建築物に係る解体工事基準(床面積80平方メートル)の撤廃と同解体工事の届出義務化について (国土交通省)

 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(平成12年法律126号)の制定によって、一定規模以上の解体工事等の分別解体及び再資源化等が義務付けられ対象廃棄物のリサイクルが進展している。しかし、建設発生木材の再資源化率は、平成17年度調査結果で68.2%の状況にあり、より一層の対策が必要となっている。特に、横行している違法解体を防止し、再資源化率の向上を図るためには、一定規模(床面積80平方メートル)未満の解体工事についても同法の適用が必至と考えられ、現行規模基準の撤廃と全ての解体工事の届出を義務化されるよう要望する。


4. 建設発生木材に係る優良資源化施設の認定について (国土交通省)

 「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(平成12年法律126号)に定める建設発生木材の再資源化率を高めるため、一定の基準に適合した「優良資源化施設」を認定し、モデル施設の普及とリサイクル意識の高揚を図られたい。


5. 新エネルギーの確保に向けた木質バイオマス供給施設等への助成について (経済産業省・農林水産省)

 近年の地球温暖化防止対策の一環として、発電施設等への木質チップの燃料利用が急増している。
 また、近い将来に向けRPS法によってバイオマス発電量を倍化させる計画があると共に、バイオマス日本総合戦略推進会議においても自動車用燃料としてバイオエタノールを600万kl確保する計画が立てられている。
 これらの計画達成に向けては、カーボンニュートラルの木材資源の活用は不可欠であり、現状において最も有効な未利用資源である林地残材を安定的かつ経済的に確保することが極めて重要である。
 そのため、国を挙げての体制づくりや林地残材の処理加工施設等の整備に必要な新たな助成制度を確立されたい。

以上

要望書ダウンロード】PDFファイル(124KB)